キャッシングとカードローンは、何が違うのか
テレビのCM等を見ていてもそうですが、お金を借りるカードやサービスの呼び名が二つあります。
それが「キャッシング」と「カードローン」です。
ぱっと見た限り、それぞれのサービスに違いがあるようには、見えないかもしれませんが、実はその通りで、現在においては全くと言って良いほど違いがありません。
では何故、似たような2種類の言葉が生まれ、使用されているのでしょうか?
もともとは利用方法の違いから
もともとは、銀行または信用金庫や信用組合といった協同組織金融機関が発行するカードを利用して、予め契約した限度額の範囲内でATMやキャッシュディスペンサーを利用して借入や返済ができるサービスを「カードローン」、同様のサービスであっても、消費者金融や信販会社は「キャッシング」または「ローンカード」と表記してきました。
また、クレジットカード業界においては、翌月一括返済の融資を「キャッシング」、リボルビング返済の融資を「カードローン」と使い分けていた時期もあったりと、発信者(金融機関・金融会社)側による定義も非常に曖昧だったと言わざるを得ません。
「カードローン」というサービスがスタートした頃の時代背景を考えれば、ある程度の規模でATMネットワークを持っていたのは、銀行や信用金庫、信用組合ぐらいで、消費者金融での融資といえば、専ら「手渡し」や「銀行振り込み」でしたので、「カードローン=(銀行+カード+ATMによる融資)」という定義も成り立ちましたが、現在においては、大手消費者金融であれば、会員カードが利用できる全国規模のATMネットワークを有しており、「カードローン=銀行」という定義が成り立たなくなってしまいました。
それでも少し前までは、なんとなく慣行的に「カードローン=銀行」「キャッシング=消費者金融」「ローンカード=信販会社」と使い分けていましたが、銀行系消費者金融(銀行と消費者金融の合弁会社)の出現や多くの消費者金融や信販会社が銀行グループの傘下となった現在の資本関係の変化により、その使い分けの定義もさらに曖昧になっています。
プロミスやアコム、アイフルといった大手消費者金融のウェブサイトには、キャッシングとカードローン、2種類の言葉が使用されており、ジャパンネット銀行の個人向けローンが「ネットキャッシング」と呼称されている現状では、その違いについて考えても仕方がないのではないのかもしれません。